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業務用扇風機を中古で買うメリット

time 2025/06/13

現場の暑さ対策や空調補助として欠かせない業務用扇風機。導入コストや納期、使用環境などを考慮する中で、「中古品を選ぶのはどうだろう?」と検討する方も多いのではないでしょうか。

確かに中古品は価格面で魅力がありますが、メリットはそれだけではありません。選び方次第では、新品にはない価値を得られる一方で、見落としがちなリスクも潜んでいます。

このコラムでは、「中古業務用扇風機を買うメリット・デメリット」を整理しながら、使用環境や目的に合った最適な選択肢を見極めるヒントをお伝えします。購入だけでなく、レンタルという選択肢にも触れながら、現場ごとの判断材料を分かりやすく解説します。

1. 中古ならではのメリット

1-1. すぐに使える&選べるモデルが多い

新品の扇風機は、製造や在庫の都合で数週間待たされることもあります。中古の場合、すでに市場に出ている現物をそのまま持ち帰れるので、急いで設備を整えたいときに便利です。

また、すでに生産が終わった型や、カタログに載っていないサイズのものが見つかることもあり、既存の設備と型番をそろえたい場合に役立ちます。

1-2. 会計上のメリット

中古品はすでに価格が下がっているため、購入後に資産価値が大きく減る心配が少なく、短期間で経費として処理しやすいのが特徴です。さらに、再び売るときの価格(=残りの価値)もある程度予測できるため、全体のコストが計算しやすくなります。

1-3. 環境配慮と企業イメージ

リユース(再利用)は、資源の無駄遣いを減らし、ゴミの量も減らします。環境に配慮する企業や公共のプロジェクトでは、中古品を使うことでCSR(企業の社会的責任)やESGの取り組みとして、良いアピールになることもあります。

1-4. 昔のモデルならではの頑丈さ

業務用機器は世代が進むごとに軽量化や省資源化がされていますが、昔のモデルは金属の枠が厚く、モーターも強めに作られていて、厳しい環境でも壊れにくい場合があります。

また、手持ちの予備パーツがそのまま使えることが多く、修理の体制を変えずにすむ点も見逃せない利点です。

2. デメリットになりやすい点

2-1. 残りの寿命が分かりにくい

ファンの軸やモーターは、使った時間だけ確実に劣化します。中古品は、前の使い方が分からないことが多く、「あとどれくらい使えるか」を正確に判断するのは難しいです。

新品なら、保証期間(例:3〜5年)を目安に保守計画が立てられますが、中古品は突然壊れるリスクが高く、予備が用意できない場所では大きな問題になります。

2-2. 保証やアフターサービスの不安

メーカーの保証は、ほとんど切れていると思ってよいでしょう。販売店が独自に短い保証(1〜3か月)をつけてくれることもありますが、パーツの供給期限が過ぎていると、修理そのものができない場合もあります。

2-3. 省エネ性能や安全基準の差

最新の機種と比べて、中古の古いモデルは電気を多く使う傾向があります。長く使えば使うほど電気代がかさみ、購入時の安さが意味をなくす場合もあります。

さらに、最近の安全基準(指が入らないガードや異物検知など)に対応していない機種は、会社の安全ルールを満たせず使えないこともあります。

2-4. 衛生面や音、見た目

粉じんが多い場所で使われていた中古機は、内部まで汚れていることがあります。掃除が大変だったり、ニオイが残っていたりすることも。また、軸がすり減っていると、運転音が大きく、作業中に気になることもあります。

3. レンタルという選択肢

3-1. レンタルの特徴

業者がメンテナンス済みの扇風機を、週や月ごとに貸し出してくれます。返却後の整備もお任せで、壊れたらすぐに交換してくれるケースが多いです。

繁忙期だけ台数を増やしたり、保管場所や寿命の管理を気にせず使えるのが大きな利点です。

3-2. どんなときにレンタルが向いているか

*夏限定やイベント用途:夏の2〜3か月だけ大量に必要な倉庫や仮設施設など。
*空調が一時停止した代替用:設備の入れ替えなどで一時的に使いたいとき。
*保管スペースがない現場:オフシーズンの収納場所を取りたくない場合。

3-3. 意外と見落としがちなコスト差

レンタルは「使わなくても借りている期間分の料金」が発生します。季節に関係なく年中使う場合は、中古や新品を買った方が、結果的に安くなることもあるので注意が必要です。

4. 判断のポイント――総所有コストで考える

1.初期コスト:中古 < 新品 < 長期レンタル
2.年間の電気代:古い中古品 > 新しい新品 ≒ レンタル品
3.メンテナンス費:中古(部品+作業) > 新品(保証期間内) < レンタル(業者負担)
4.故障による損失:中古 > レンタル(交換体制あり) > 新品
5.保管・管理コスト:常設現場=購入向き/期間限定=レンタル向き

最終的には、「何年間で、どれくらい運転するのか」「壊れたときにどれくらい困るか」を数値で見積もり、上記の5項目をすべて合わせた総保有コスト(TCO)で比較することが大切です。

まとめ

中古の業務用扇風機は、

すぐに使える
コストを抑えられる
環境への配慮ができる
昔の頑丈な作り

 
など、新品にはない魅力があります。

ただし、

寿命の予測が難しい
保証や安全面での不安
清掃や音の問題

といったリスクも考慮する必要があります。

あまり使わない・保管したくない場合はレンタルが合理的。反対に、長時間使う主力機として使うなら、新品の信頼性や省エネ性能が長い目で見て得になります。

中古を選ぶなら、「使用時間が短く、部品も手に入りやすい機種」を見極め、予備機を含めた体制づくりが現実的な選択肢です。