涼しい僕たちは扇風機を使う

扇風機が生み出す風とカルチャーを探求しています。

真夏は「窓を開けたり扇風機で十分」ではない

time 2025/06/18

以下の記事について、

 
物価高が暑さ対策をも直撃…家庭の”猛暑対策予算”が昨年比1割増の平均2万8497円 エアコン不使用・使用頻度低い人は「電気代が気になるから」が最多
https://www.fnn.jp/articles/-/888646
 

電気代もったいないからエアコン使わない話の、物価高注目バージョンの内容ですね。

この中で気になる文言が。

「窓を開けたり扇風機で十分」(16.9%)

 

「扇風機で十分」は本当に十分?

この記事によると、エアコンを使わない理由として「窓を開けたり扇風機で十分」と回答した人が16.9%もいるそうです。物価高の影響で電気代を気にする人が増える中、本当に「扇風機で十分」でしょうか?

扇風機の限界:物理学の観点から

結論から言えば、「扇風機で十分」というのは誤りです。なぜなら扇風機には根本的な限界があるからです。

扇風機は室温を下げる機能を持っていません。風によって肌表面の熱を逃がすことで涼しく感じさせるだけで、室内の温度自体は変わりません。体感温度が下がっているだけなのです。

また、窓を開ける効果も外気温が室温より低い場合に限られます。猛暑日には外気温の方が高いケースも多く、そのような状況では窓を開けることで逆に室内温度が上昇してしまいます。

熱中症リスクを考える

気温が30度を超える猛暑日に扇風機だけで過ごすことは、特に高齢者や子どもにとって熱中症のリスクを高めます。エアコンを使用せず扇風機だけで過ごすことが原因で熱中症になるケースは毎年報告されています。

熱中症対策の専門家によれば、室温28度以下を維持することが熱中症予防の基本とされています。扇風機では室温を下げることができないため、この条件を満たすことができません。

省エネのベストプラクティス「エアコンと扇風機の併用」

電気代を抑えたいという気持ちは理解できますが、そのために健康リスクを高めるのは本末転倒です。実は電気代を抑えながらも効果的に暑さ対策をする方法があります。

最も効率的なのは「エアコンと扇風機の併用」です。エアコンの風向きを水平に、扇風機を上向きに設置することで、冷たい空気を効率よく循環させることができます。これにより、エアコンの設定温度を1〜2度高くしても同じ快適さを維持できるため、電気代を10〜20%節約できるという研究結果もあります。

健康と経済のバランス

物価高の影響で家計を見直す必要はありますが、健康を犠牲にする選択は避けるべきです。特に日本の夏は湿度も高く、体感温度はさらに上昇します。

エアコンの使用頻度を下げるよりも、遮熱カーテンの活用や適切な室温設定、エアコンのフィルター清掃など、効率的な使用方法を工夫する方が賢明です。また、熱中症で医療機関にかかる費用を考えれば、適切なエアコン使用の方が結果的に経済的とも言えるでしょう。

「扇風機で十分」と考える16.9%の方々は、ぜひこの夏、健康と省エネのバランスを再考してみてください。命に関わる熱中症リスクを軽視するべきではありません。

 
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